
こんな疑問に答えていきます。
本記事の内容
1.肘下がりの投球動作ってそもそもどういう意味?
2.肘が下がってしまう原因
3.肘が下がるとなぜ悪いの?
4.投球時に肘があがるとなぜいいの?
5・【注目】肘下がりを修正する練習方法
本記事の信頼性

国家資格理学療法士として病院に8年勤務。野球少年を主に担当し累計500人程の野球選手を指導しています。
今回は、投手や野手の投球でよくある問題のひとつである『肘下がり』について徹底的に解説していきます。
本記事を読めば肘下がりが改善し指導者から褒められたり仲間から「いいボールを投げられるようになったね!」と言われること間違いないでしょう。
また、野球指導者や小・中学生の選手の保護者の方にも是非読んでもらいたい内容です。
目次
そもそも『肘下がり』ってどういう状態のことをいうの?
まず『肘下がり』ってどういう状態かを説明していきます。
まずは、下の投球動作のフェーズを表したイラストを見てみましょう。

投球動作ではワインドアップ→アーリーコッキング期→レイトコッキング期→加速期→フォロースルーとフェーズ分けされています。
肘下がりを見るポイントはアーリーコッキング期とレイトコッキング期のちょうど中間、つまり、踏み出し足が着地した瞬間に肘がどこの高さにあるかで判断します。
理想の投球動作として、踏み出し足が地面に着地した瞬間に左肩→右肩→肘が一直線になっていることが理想です。
こちらの写真はヤンキース時代の田中将大選手の投球フォームです。
踏み出し足が着地した瞬間に左肩→右肩→右肘が一直線になっているのがわかりますよね。

しかし、こちらの写真は踏み出し足が着地した瞬間に左肩→右肩は一直線だけど、その瞬間に右肘が下におちています。
これが、肘下がりと言われる状態です。

投球動作中に肘が下がるとなんで悪いの?
肘がさがることがなぜ悪いのかを解説しますね。
端的に言うと、肘が下がることで肘の内側を痛めてしまうリスクが高まります。
僕は離断性骨軟骨炎(野球肘)を受傷し約6ヶ月野球をすることができませんでした。
レギュラー争い真っ只中での怪我だったのでとても悔しい思いをしました。
野球肘以外にも肘下がりが原因で野球肩や腰椎分離症という長期離脱しなければならない大きな怪我のリスクもあがってしまいます。
投手であればボールが外に抜けたり、球速があがらない原因になってしまいます。
野手で言うと悪送球になる可能性が非常に高まります
怪我のリスクや野球のプレーにとっても悪影響をおよぼしてしまうので早急に改善する必要があります。
肘さがりになってしまう原因6つ

まず、肘下がりで困っている選手はスマホで投球動作を撮影しましょう。
ポイントは必ずスローモーションで撮影することを心がけてください。
通常撮影では専門家でも解析がむずかしいので一番遅い撮影モードで撮りましょう。
それでは実際に6つの原因を1つずつ解説していきます。
体幹の重心が真ん中ではない
肘下がりになってしまう原因としてワインドアップのときに体幹が後ろに倒れ、重心が後ろになっていることがよくみられます。

こちらの写真のように体幹が後ろに傾斜してしまうことにより必然的に肘が下がりやすくなってしまいます。
次に紹介する『反り腰になっている』と似ていますが少し違いますので②に読み進めてみましょう。
反り腰になっている
指導の経験上ですが、肘下がりになる選手のほとんどがワインドアップの際に反り腰になっています。

反り腰になると前項でもあったように体幹の重心が真ん中でなくなるためこちらも肘下がりになる原因になってしまいます。
補足ですが、肘下がりの選手は姿勢の段階から反り腰になっていることが多いです。
反り腰についてはこちらのリンクを見てみてください。
Link 反り腰ってなんで悪いの?
姿勢の段階から反り腰を治してあげると投球動作での反り腰も改善することがあるので、まずは姿勢矯正を行うことからはじめましょう!
修正ポイントとして少し体を丸めると重心が中心になりやすいので試してみてください。
よい例として佐々木朗希選手のフォームが参考になります。
佐々木選手はワインドアップ時に体幹が丸くなっていることががわかると思います。
体幹が丸くなっていることで重心が安定し160kmの速球をコントロールできるのです。

母指球・小指球・踵の3点に体重がのっていない
次は母指球・小指球・踵の3点がアンバランスに体重がのっていると肘下がりになりやすいです。
アンバランスに体重がのっていると前項で紹介したワインドアップのときに体幹が後ろに倒れやすくなってしまいます。
この3点で支えている三角形のことを『トライポッド』と呼びます。

さらに、3点で立つだけではなくワインドアップのときはできるだけ足の指を開いて片足立ちなりましょう。
足を握ってワインドアップの状態にしてしまうと全身に力が入りすぎてしまいバランスが悪くなってしまったり、ボールのコントロールが悪くなってしまいますので注意しましょう。
修正方法として、できる限り指を開いて片足立ちになる練習をしましょう。


アーリーコッキング期で膝が折れてしまう
次の原因としてはアーリーコッキング期で膝が折れてしまい肘が下がってしまうことです。
ワインドアップからキャッチャーの方へ体重移動をすることを並進運動と言います。

この並進運動のなかで膝が折れてしまうと左肩が上がってしまい右肩が下がります。
すると同時に右肘も下がってしまいます。
修正方法として、膝を棒のように伸ばしたまま並進運動をしてみてください。

そうすることで、膝が折れず肘も下がらないようになります。
試してみて、自分に合いそうだなと思ったら積極的に取り入れてみてください。
この膝が折れてしまう選手は非常に多いです。
大事な動作ですので別記事で紹介しています。
是非チェックしてみてください。
並進運動が速すぎて体が前に突っ込んでしまっている
並進運動が速すぎると踏み出し足が着地したときに体が前に突っ込んでしまい、肘が遅れて上がってしまいます。

これが原因で肘下がりになります。
修正方法として、できるだけゆっくりとシャドーをおこなってみましょう。
そうすることで、体が前に突っ込んでいないかなとか、体が力んでいないかなとか見えてくることがありますのでぜひ練習してみてください。
テイクバックが多きすぎる
最後の原因です。
これが正直なところ経験上一番目にする原因ですのでしっかりとよみ進めてください。
チェックすることは2つです。
1つ目は踏み出し足が着地した瞬間に肩の水平外転(胸が開きすぎ・肘が背中より後ろにある)が大きくなってしまっていることです。
そうすると、肘の上がりが遅れ肘下がりになってしまいます。

2つ目は投げ手が下がりすぎていることです。
最悪なのがテイクバックのときに投げ手が下がりすぎているかつ水平外転も合併しているとさらに肘の上がりが遅くなります。

踏み出し足が着地した瞬間でのベストな肘の曲がり角度は90°です。

この写真のようになっているか、投球動作を撮影し確認してみましょう。
肘の屈曲角度が90°を超えてしまうと肘の痛みに直結してしまいますので注意しましょう。
修正方法としてワインドアップから並進運動する際にできるだけ小さくテイクバックして体が割れるイメージで投げてみましょう。
そうすることで勝手に投球動作が大きくなり球速も向上します。
テイクバックが大きすぎる選手にとって最初はかなり違和感があると思いますが、おそらく指導者目線でいうとちょうど良いフォームになっていると思いますのでチャレンジしてみてください。
まとめ
本記事を最後までご覧になっていただきありがとうございます。
この記事を読んで肘下がりの原因が少しでもわかったとおもっていただけたら幸いです。
具体的にもっと修正エクササイズを知りたいという方は有料にはなりますがこちらのnoteものぞいてみてください。
球速アップやコントロールアップについても書いてありますので野球が上手くなりたい選手やうまくさせたい指導者の方はぜひチェックしてみてください!